幸せになるために 13

DSC_1302ニコンD3 85㎜f1.8  201604 本庄でタケノコ掘りにて

正直しんどい・・・

真由美ちゃんが会社に入って

3年を過ぎたあたりから

徐々に成績を伸ばし始め

常に営業成績でトップを取りはじめた

毎月目標達成し、月の初めには

もう次の月の予定がたっていた

端から見ていても、やり過ぎじゃないか

と思うぐらい仕事づけ

どんどんと長野、山梨の新規顧客を開拓し

お客様から絶大な信頼感を得ていた

 

対して、僕の方といえば

相変わらず鳴かず飛ばずで

営業成績は目標台数を達成することの方が

少なかった

 

真由美ちゃんは、僕と付き合っていることを

どこでも公言していて

大事な人なんですと言ってくれていた

みんな凄い真由美ちゃんを見ているので

彼はどれだけ凄い人なんだろうと

相当期待が高まり

会ってみたいと思われていたようだ

 

いつも

 

「すんません、こんな男で・・・」

 

と心の中で思って・・・いや

実際に口に出してたわ!

思い出した!

と、真由美ちゃんに紹介されるたびに

結構卑屈になっていた

 

それでも、いつでも真由美ちゃんは

「信也さんがいるから、頑張っていられるんだよ」

と言ってくれていた

でも、僕はそれを全面的に受け入れることが出来ず

もっと、彼女にふさわしい人がいるはずだ・・・

と思っていた

 

気持ちの中でそんなことを思っているもんだから

口に出して

「愛してるよ」

なんて口に出すことが出来なかった

自分にはそんな資格なんてないんだと

いつも心の中で叫んでいたんだと思う

 

真由美ちゃんの入社から4年が過ぎ

会社でスター制度というものが始まった

年間を通して優秀だった社員が表彰され

次の一年間、胸に星のバッジを付けることになった

勿論、初のスター制度の一人目は真由美ちゃんだった

 

僕は、その時、今度こそスポーツカー店に!

という思いもむなしく

RV,ミニバンの専門店へ異動となり

たいして台数も売っていないのに

主任に昇格した

社長からは

「まあ、台数は足りてないが、例外として昇格させたから

頑張りなさい!」

と言われた

 

昇格した喜びはもちろんあったのだが

片や誰からも文句の出ないぶっちぎりのスターと

おいおい、なんで山下が主任なんだとの声もあがった

僕の昇格と比べるまでもなく

僕の劣等感は更に強くなっていった・・・

 

季節は冬になり

僕は体調を崩して風邪を引き

39度の熱を出して

会社を休んで、寝込んでいた

 

そんな時に

長野にいる真由美ちゃんから電話が入った

「もう無理・・・私たち本当に付き合ってるの?

もう別れる?・・・信也さんの本当の気持ちがわからないよ」

そう言って電話は切れた・・・

 

続く・・・

この記事を書いた人

shinyafd3s

現在、はぁもにぃ保育園で
広報を担当しています。
お休みの日を使って
カメラマン活動をしています

僕の使命は
その人の光っているところを
明確にしていくこと!

よろしくお願いいたします