幸せになるために 99

P1013960.JPGニコンD200 事務所前にて 寛君と

 

寛くん・・・

 

真由美ちゃんの一個下の弟である寛くん・・・

はぁもにぃの設立準備中に脳腫瘍で倒れた

その後、腫瘍の摘出手術を行ったが

拳大の腫瘍は取り切れず

その後、放射線治療と薬を続けていた

 

最初に退院してきた時

みんなにやりたいこと、行ってみたいところは

ないのか?と聞かれて

 

「香川にうどんを食べに行きたい!」

 

と言ったので

その当時、身動きが取れた僕が

香川旅行へ同行した

新幹線で岡山まで行き

その後、乗り換え瀬戸大橋を越えて

香川入りした

 

その後は、レンタカーに乗り換え

ひたすら美味しいと言われている

讃岐うどんを食べまくった・・・

 

寛くんはとても大きな手術をしたとは思えないぐらい元気で

よく食べ、よく話した

 

お腹いっぱいになり

ホテルで寝ようと横になった

暗い部屋で寛くんがしゃべった・・・

 

「信也さん、付き合ってくれてありがとうございました

やりたかったことが出来て本望です」

 

「そんな、これで最後みたいな言い方すんなよ・・・

また来ればいいじゃないか・・・」

 

「いえ、自分のことは自分がよくわかります

この病気の5年生存率何パーセントか知ってますか?」

 

「いや、知らんよ」

 

「信也さん、5%ですよ・・・

95%は死ぬんです・・・」

 

「そんなん・・・

寛くんはその5%に入るんだろう!

最初から諦めたようなこと言うなよ!

な!君はその5%に入るんだよ!」

 

「そうしたいですよ

僕、色々と調べたんです

まだ、アメリカでも認可されていない薬が

何種類かあって、それを試してみたいんです・・・」

 

「そうなの?

そうしなよ!」

 

「でも、お金かかるんです・・・

僕が今飲んでる薬も高いんですよ!

一粒5万円するんです

これ以上親に迷惑かけられないです」

 

「そんな・・・

命に代えられるものなんてないだろう?

相談してみなよ・・・

お義父さん、絶対に出来ることしてくれるって!」

 

「いや、僕は言えません・・・

山本家を僕の為に潰すわけにはいきません!

それだけの大金をつぎ込んでも

生きれる望みは5%しかないんです!

僕はそれは出来ません!」

 

「・・・・・」

 

それ以上何も言えなかった・・・

何か言おうと思ったが

言葉にならず、暗闇の中に言葉が飲み込まれていった・・・

 

次の日、寛くんはいつもと変わらず明るかった

 

「信也さん、今日も目いっぱい美味しいうどん食べましょう!」

 

「あ・・・うん、えっと・・・今日もうどんなのね・・・」

 

「何言ってるんですか!香川に来てうどん以外何を食べるんですか?

さあ、今日は○○から始めましょう!

今から行かないと、並びますよ!」

 

「そうなんだ・・・わかった!じゃあ、食えるだけ食おう!」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

車で目ぼしい店を回り

5店舗ほど回った・・・

美味しい店ではおかわりもしていたので

もう、相当お腹はうどんだらけだ・・・

 

結局、夕方時間いっぱいまで食べ続け

時間ぎりぎりで帰りの電車に飛び乗った

1泊2日の香川うどんツアーが終わった・・・

 

寛くんは、その後も入退院を繰り返し

徐々に体が動かなくなっていった・・・

 

続く・・・

この記事を書いた人

shinyafd3s

愛妻家フォトカウンセラー
普段は学童の責任者として子どもたちの未来を作る仕事をしています。
週末はフォトカウンセラーとして活動しています。
奥さんが大好きで奥さんの写真多し!