キャノンS90 福島の実家にて なな最後の田舎暮らし
なな・・・
多分、この写真の時が
ななが最後に僕の故郷に帰った日・・・
この時はこれが最後になるなんて
夢にも思わなかった・・・
この時の僕には
実家が二つあって
父が住む双葉町の実家と
母が住む浪江町の実家があった
勿論、僕が暮らしたのは
双葉の実家のほうだが
まあ、母の方も実家なんだと思っていた
光がさんさんと溢れる居間ももう無い・・・
母の実家には
グランドピアノが置いてあった
ヤマハのグランドピアノだったが
タッチが重く、最後まであまり気に入っていなかった
でも、このピアノも
もう弾けないと思うと寂しい・・・
夏には従妹たちが集まり
必ず大勢で食事をしていた
これも田舎ならでは
無駄に部屋が広いので
結構収納人数が多い・・・
母方の実家は音楽をやっている人が多く
こうやって集まって食事をした後は
大概演奏会になった
大学生ぐらいまでは
従妹の家にいって演奏するのが
結構プレッシャーだったが
この頃は適度に音楽から離れ
いい意味で力が抜けて楽しめていたと思う
周りを気にせず
夜に窓を開けて演奏していても
苦情の心配なんてしたことがなかった
こうやって写真に残すことで
いつでも追体験できる
ななにも
田舎があったのだという証明にもなる・・・
いつ、今当たり前にある生活が無くなるかわからない
だから僕は日常のありふれた風景を
切り取っていきたい
いつか子どもたちに
こんなことがあったんだよって
言えるようにしていきたい
続く・・・